才能

2014年04月23日

今日ある生徒と授業終了後、補習をしていました。

事前にやってくるようにと渡しておいた補習用プリントの答え合わせとやり直しです。通常の宿題に加えてですからちょっとしんどかったかもしれません。

その生徒はおそらく忙しかったのでしょう、無理もありませんが少し「やっつけ仕事」気味に問題を解いてきたふしがあり、解けるはずの問題も基本的なところでケアレスミスはあるわ、すぐ諦めて解いていない問題もあるわで僕は少し不機嫌になっていました。「あがく」「ねばる」ことで正解に辿りつく経験を持たなければ受験に耐える学力などつくわけもありません。この生徒に限らず、現時点の中三生にはまだ足りない部分です。当然、間違っているところはすべて目の前でやり直しをさせます。

以下、その際の会話です。

堀居:(不機嫌気味に)だからまず時制を考えてエ、そのあとは、これこれこういう風に考えると、この(  )に入る単語はなん(何)なん?

生徒:・・・ここに・・・ええっ!?ここに入るの”nan”(インドのパン)だったんですかっ!?

 

---爆笑!、です。いくら何でもこんなとこにインドの発酵パンが入るわきゃない。この生徒の凄いところはこれを狙ってやっているわけではないところです。わざとボケたのなら不真面目以外のなにものでもありません。そんな甘えた態度で切り抜けようとしたらタダではおきません。先の言葉には心からの驚きが含まれていました。やあ、腹がよじれるかと思った。一気にやや重い雰囲気も消し飛びペースもアップ。きれいに全問やり直して帰って行きました。

後で考えたのですが、たった一言で相手を、そして場の雰囲気を一気に明るく、軽くしてしまうこの力はそれを持たない者がどれだけ欲しても得ることができない立派な才能だと言えます。

○○さん、決して嫌味ではなく、あなたは得難い才能を持っています。通俗的な常識に身を摺り寄せることが大人になることだと勘違いせず、いつまでもこの稀有な才能を持ち続けてください。

ただし、テストの時にはできるだけ能力発動を抑えて・・・。